はじめましてと補完食

はじめまして、相川晴(HAL)と申します。theLetterでこれからレターを発信していきます。よろしくお願いします。
相川晴(HAL) 2025.03.30
誰でも

さて、発信したい内容はいろいろあるのですが、こちらのtheLetterでは「補完食」についての深掘りをしていこうと思います。

(折角サムネ作ったので貼らせていただきます)

(折角サムネ作ったので貼らせていただきます)

私は「赤ちゃんのための補完食入門」という本を出しています。補完食に関して、いろいろなデータを凝縮して本にしているのですが、書きながら

「本当はここはもっと詳しく書きたいけど字数が足りないな」

「この内容は誤解をまねきそうだから本にするには難しいな……」

という部分がたくさんありました。

レターでは、補完食自体の解説に加え、そういった本にはできなかった部分を補う内容を発信していきたいと思います。

  • 妊娠中・出産後の方&そのパートナーさんで、これから赤ちゃんの食事をはじめるけどよくわからないなという方

  • 補完食について知りたい方

  • 補完食に興味を持ったけれどもよくわからない方

  • 補完食の具体的な進め方や食材の扱いで困った方

  • 離乳食であれこれ行き詰まった方

  • 乳幼児の食事の支援に関わる職業で補完食について深掘りしたい方

  • 補完食の知識を通常の「離乳食」とどう折り合いをつけていいか悩んでる方(いるか?)

などなど、気になる方はレターに登録していただけますと嬉しいです。いろんな方に知って欲しい内容については登録だけで読める様にする予定ですが、深掘りの内容、特に誤解を招きそうな部分でXでのポストなどでは言いにくい内容、Q&Aに関してはサポート限定で発信していきたいなと思ってます。まだ未定です。

さあ登録してみよう(ダイレクトマーケティング)

ということで、ご挨拶がてら、今回は軽く「補完食」自体の概要をさらっと書いていこうと思います。

そもそも補完食とはなにか?

補完食とは?

赤ちゃんは生後しばらくの間、母乳やミルクだけで成長します。しかし、大きくなってくると、母乳やミルクだけでは成長や元気に活動するための栄養が不足してきます。それを補うために、母乳やミルクに加えて食事をあげるのが「補完食」"complementary feeding"で、世界保健機関(WHO)が提唱している考え方のことです。

日本では、赤ちゃんの食事を指す言葉として「離乳食」という言葉が広く使われていますね。補完食と離乳食は大きく重なる部分が多いものの、少し異なる視点を持っています。補完食は、赤ちゃんの発達と必要な栄養を中心に考え、母乳やミルクをベースにしながら、不足する栄養はなにかな、どう補うといいかな、どんなことに注意するとその後の肥満などを防げるかな……等々を、世界中の様々なデータを元に検討してガイドラインが作られています。

日本の厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、補完食についての記載もされております。

補完食の基本的な進め方

補完食は、一般的に生後6か月(180日)頃から始めます。母乳やミルクをやめたり意図的に減らす必要はありません。母乳やミルクに「加えて」補完食をあげていきます。

日本の離乳食では細かい食材の指定が書かれている本が多いですが、補完食には食材の指定はありません。(もちろん、赤ちゃんにとって危険な食材はNGです!)

赤ちゃんの発達に合わせて、主食(でんぷん質のおかゆなど)だけではなく、動物性のタンパク質や野菜、果物、豆、ナッツ類(必ず潰すか粉末で!)等々、さまざまな食材をあげていくことで、足りなくなる栄養を補います。

離乳食では動物性のタンパク質は少し遅らせる傾向がありますが、補完食では6~8ヶ月から赤身の肉や魚、卵なども取り入れていくことで、不足しがちな鉄や亜鉛なども補っていきます。

また、食事の回数についても離乳食より少し早い段階で回数が多くなります(ただしこれは赤ちゃんの必要に応じて増やしてよいので、あまり焦らなくて大丈夫です)。赤ちゃんの胃の容量は小さくて、一度に食べられる量には限界があるので、回数を増やして補う、と考えてあげるとわかりやすいですね。

補完食の考え方がわかると楽(かも)

補完食の視点を取り入れることで、「赤ちゃんに必要な栄養をどう補うか?」という視点から、食事をより柔軟に進めることができます。

また、母乳やミルクが基本ですし、最低限の栄養は母乳やミルクから得られていることがわかりますので、食べてくれない時にも「まあ母乳飲んでるし」と余裕が生まれるかもしれません。

それに、「母乳やミルクをやめるための食事」というニュアンスはありませんので、より前向きに赤ちゃんの食事をスタートしていけるかな? と個人的に思っています(もちろん最終的に母乳やミルクは減っていき、いずれはやめていくのですが、赤ちゃんのペースにある程度お任せでいけます)。

補完食の視点を取り入れることで、「赤ちゃんに必要な栄養をどう補うか?」という視点から、食事をより柔軟に進めることができます。また、母乳やミルクが基本ですし、最低限の栄養は母乳やミルクから得られていることがわかりますので、食べてくれない時にも「まあ母乳飲んでるし」と余裕が生まれるかもしれません。それに、「母乳やミルクをやめるための食事」というニュアンスはありませんので、より前向きに赤ちゃんの食事をスタートしていけるかな? と個人的に思っています(もちろん最終的に母乳やミルクは減っていき、いずれはやめていくのですが、赤ちゃんのペースにある程度お任せでいけます)。

特に重要なのは「」の補給です。母乳には鉄がほとんど含まれておらず、生後6か月を過ぎると赤ちゃんの体内の鉄の貯蔵が減少します。そのため、補完食ではレバーや赤身肉、豆類など鉄を多く含む食材を積極的に取り入れることが推奨されます。こちらは補完食だけでなく、離乳食でも同じですので、その部分だけでも理解してもらえると嬉しいです。
また、乳幼児の栄養支援を行う専門職の方にとっても、補完食の視点を理解してもらえると嬉しいなと個人的に考えています。現場ではさまざまな悩みをもってその相談に乗っておられると思います。その際、補完食の視点を持っていることで、今みなさんの持っていらっしゃる離乳食の豊富な知識を、より柔軟に指導に活かせるのは? と思っています。(もちろん指導の現場で言いにくいものもあるかもしれませんので、上手に取捨選択していただけますと嬉しいです)

今後の発信内容について

このレターでは、今後も補完食に関する情報を発信していきます。今考えているものとしては、

  • 2023年に更新されたWHOの新しいガイドラインの翻訳と解説、深掘り

  • Q&Aやアドバイス(募集予定)

  • 具体的なスケジュール例

  • 鉄を補う工夫やベビーフードの活用方法

など、具体的な情報やより細かい内容をお話ししようかなあと思っています。予定です。多分脱線します。また、こんな内容について聞きたい、という要望にも応えていきたいと思います。

まとめ

補完食とは、母乳やミルクに加えて赤ちゃんの成長や活動に必要な栄養を補う食事のことです。 妊娠中や出産後の方は、これからの育児に向けて補完食の基礎を知っておくことで、赤ちゃんの食事への不安や負担感が少しでも軽減できるかもしれません。また、乳幼児の栄養を支援する専門職の方々には、この考え方を取り入れたアドバイスが、現場で役立つことを願っています。

今後も、補完食についてわかりやすく、実践しやすい情報を発信していきたいと思っていますので、ぜひレターへのご登録、よろしくお願いいたします。(読者限定記事を中心に考えてますので、ぜひ!)

それではまた次のレターで。

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